今でこそアメリカに現地法人を構え、世界的なエンターテイメント企業や宇宙開発機関からもお仕事を頂くようになった弊社ですが、元々は町工場でした。他社と違ったことは、収益性の見込みやすい量産を辞め、一点ものや試作品に集中し、製造のプロセスに必要な職人の技術を全てデータ化し、今ではAIとしてクラウドサービス化してきたことです。
この取り組みは30年も前から行っていますが、考え方としては単純で「人の頭の中にある情報をデジタル化して整理する」という、ただそれだけです。
この結果、24時間無人で稼働する工場が生まれ、人が機械の前に長時間いる必要はなくなりました。そして人間はよりクリエイティブで不確実性の高い領域にチャレンジできるようになりました。簡単ではありませんが、人間にしか出来ない、やりがいのある領域です。
なぜそんなことをしなければならないのか。背景には弊社が常に持っている、ある危機感があります。それは、今ある仕事は5年もすれば無くなってしまうということです。変化の激しい時代にすべきことはただ一つ、探索をやめないことです。たとえすぐに利益にならなくても。
たとえば製造プロセスを自動化するAIの提供は、自社の秘伝のタレを競合に共有するようなものです。しかし、それ以上に産業全体のエコシステムの効率化を計り、スピードアップさせることを優先しています。例えばテスラにしても、電気自動車の普及のためにスーパーチャージャーの技術を商用公開しています。それと同じ理由です。
装置開発も積極的に行っています。メインはモーターコアですが、様々な試作品を手がけることで技術が蓄積し、次の事業の種を生む機会となっています。 既存の仕事は自動化し、そのノウハウを広め、自分たちは製造業の限界をどんどん押し広げる開拓者でありたいと考えています。
今弊社においては、社長が交代し、ソフトウェア・AIエンジニアや新規事業立ち上げ経験者、素材の研究者など、外部からも様々な人材が集結し、変革の時期にあります。一方で昔から職人のデータを採取して自動化システムを構築してきたメンバーなど、今のHILLTOPを作り上げてきた人間たちもいます。
毛色が違う人たちが融合し成果をあげるのは簡単ではありません。優秀であるほど、成功体験があるほど、それ以外の意見を受け入れるのは本来難しい。それでも今の弊社があるのは、経営理念にある「理解と寛容」が、上っ面ではなく社員の中に生きているからだと思います。
自動化で時間を創出し、新規事業で機会を作り続け、異能な人材が融合できる場があってこそ、創造性は生まれると思います。それこそが人にしか提供できない価値であり、ここにこだわり続けるのがHILLTOPです。無難な人生とは無縁の、変わり者のあなたこそ、私達は会いたいと思っています。